アメリカン心臓病協会のプロモーション・ビデオに出演しているトシャワ・アンドリュース
2019年NHK杯に娘のスター・アンドリュースが出場したことをとても誇りに思っている。
 スターは解説者のタラ・リピンスキーが「Woa! This is our future.(わお!私たちの未来ね)」と感嘆し、ジョニー・ウィアーが「She's blown the roof off this building. (彼女はこの建物を吹き飛ばしてしまった」と称賛するほど、ジャンプやスピンがきわだってパワフルだ。練習ではトリプルアクセルにも成功している。1月の全米選手権、あるいは来年のプログラムには組み込む予定だ。




 母のトシャワもフィギュアスケートが大好きだった。少なくとも週4回は滑った。
 彼女の家は昔も今も、ロサンゼルスのトーレンスにある。ここはかつて「アメリカのスイートエンジェル」と呼ばれたミシェル・クワンが育ったところでもある。
 かつてトーレンスのスケート場で、カレン&ミシェル・クワン姉妹がスケートをはじめた。
 
 トシャワクワンに憧れた。78856501_2673860192722114_2255418881977876480_n
 今回NHK杯のフリーで娘のスターが滑った「サロメ」は、クワがはじめて世界選手権で優勝したときの曲でもある。

 トーレンスはアジア系やアフリカ系やメキシコ系のエスニックが多く暮らす街だ。
 スケート場の雰囲気も庶民的で解放感がある。トシャワ自身、このリンクで滑っていると、さほど差別意識を感じたことはない。

 20代のある日、トシャワは心臓あたり、やけつくような痛みをおぼえた。病院に行ったものの、なかなか原因がわからない。
 最終的には生まれつきの冠動脈微小血管疾患(MVD)と診断されたとき、トシャワはすでに長男のアシュトンを出産していた。

 つづけてスカイラースター2人の娘という子宝にも恵まれた。
「空」と「星」を意味する名前にした。
 その一方で、トシャワは2007年から2010年の間に、9回も狭心症やハートアタックに襲われている。苦しい闘病生活はつづいた。
 2012年にはICD(除細動器)も導入した。
 コレステロール低下薬に加えて、ベータ遮断薬、血液希釈剤、カルシウムチャネル遮断薬を組み合わせ、服用している。さらに1日30分は歩くか、軽い運動。
ToshawaAndrews-kids1
トシャワと3人の子供たち。左からアシュトン、スター、スカイラー。

 娘たちにスケートを教えたのはトシャワだった。
 昔も今も娘のマネージャーとして動画チャンネルを運営。その一方で、心臓病の支援団体のため講演やチャリティイベントを企画している。


 中でも注目を集めたのは、スター・アンドリュースが9歳のとき、「ホイップ・マイ・ヘア」をアイスショーで滑ったときの動画である。
 閲覧数はすでに55676499人をこえて、まだまだ伸びている。
 ぜひチャンネル登録してほしい。練習ではすでにトリプルアクセルも成功しているので、近々アップしてくれるそうだ。