四国は愛媛県の道後温泉前のアーケードでは昨年、ローソンの看板は「L」の字の照明をこわれたまま修理せず、ツバメたちの巣づくりと子育てを守り、優先しました。このことは、ほのぼのしい話題として、各メディアで取り上げられました。


  
 さて、コロナ渦で観光客が減ってしまった今年もツバメたちはやってきました。2020年5月もツバメたちは例年どおり、巣をつくり、5つの卵からヒナが生まれました。
 
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 ローソンは今もなお、Lの字以外の照明を灯しつづけています。が、店はずっと閉まったままです。 
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 県からの自粛要請を受けて、まず道後温泉が閉まり、ローソンは営業を停止したままなのです。

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 道後温泉は工事中でした。手塚治虫プロダクションとコラボした「火の鳥」のプロジェクトが進んでいます。


 
 ハイカラ通りと呼ばれるアーケード内の店は閑散としていて、人どおりもほとんどありません。
 
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 ここはリゾート温泉ホテルからも徒歩圏内、普段ならいろいろな趣向を楽しむことができる観光スポットであり、デートスポットでもあり、若者や家族づれで大勢の人でにぎわっているはずでした。

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 もともとこのアーケードでは、ローソンにかぎらず、ツバメたちはあちこちに巣をつくっています。
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 ローソンと細い道を1本隔てたお隣の「椿の湯」でも、軒先につばめの巣ができています。
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 5月21日、どの巣もいっせいに空っぽになりました。彼らは旅だったようです。

 来年の春、きっとまた戻ってくるでしょう。そのとき観光客が自分たちを撮影したがり、また驚くかもしれません。

 われわれ人間もその頃までにはコロナ渦から立ち直り、乗り越え、飛びたっていることを切に願っています。
 つばめにようにたくましい子育て、火の鳥のような未来をになう強さが今、いちばん求められているのではないでしょうか。<了>

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