
GO TO TRAVELという英語はちとわかりません。が、アメリカ国内も車でのドライブ旅やキャンプ地めぐりが場所によっては復活しているようです。
ともかく広いアメリカ大陸では、フリーウェイがほとんど無料です。一部で払う道路もありますが、信じられないほど安い。1ドルとか2ドルとか。これは北アメリカの特徴のひとつ。
アイオワ州のマディソン郡にはああいう屋根付きの橋が6つあります。そのうちの1つ、あの映画の舞台になったローズマン・ブリッジは1883年に建造されました。2度の改築を経て、今もなお現存しています。
シカゴからは車で片道7時間ぐらいのドライブになります。
暑い日だったので、途中でのどが渇き、「コーラでも買おうか」という話になったのです。が、トウモロコシ畑がえんえんとつづき、自動販売機はもちろん、店なんてないのです。
水ボトルをたくさん買ってからドライブしましょう!
途中でちょっと寄り道すると、映画「フィールド・オブ・ドリームス」が撮影されたコーン畑の中の野球場があります。ダイバーヒルズという町です。
この野球場では、村おこしで、いろいろイベントがあり、面白いですよ。距離もマディソン郡の橋よりはシカゴから近いです。
メジャーリーグのOBを招いて、試合が行われたりもしています。
https://www.fieldofdreamstickets.com/index.html#game
話をもどします。
アイオワ州にはデモインという町があり、ここはシカゴカブスのマイナー3Aが置かれています。野茂英雄が登板したこともあり、地元の野球ファンには耳になじんでいます。
このデモインで映画「マディソン郡の橋」の撮影が行われました。愛しあう2人がダンスを踊ったブルースバーもあります。雨の中の別れも、この町中で撮影されました。
あのブルースバーのシーンは原作にはなかったのです。おおらくイーストウッドが熱心なブルースファンだったので、足されたのでしょう。
映画のはじめのほうで、道に迷った写真家が農場に立ち寄り、メリル・ストリープ扮するフランチェスカに道を聞くシーンがあります。
行ってみたら本当に、ローズマンブリッジまでの目印がなくてわかりにくく、フォトグラファーがわざわざ車をとめて、道を聞くはずだと納得してしまいました。
土煙をたてて車が去っていく、というシーンも納得です。舗装されていない道路がつづくので、砂埃で車の色が変わってしまいました。
ウィンターセットの町中には観光局があり、そこでもらった地図がいちばん役にたちました。
映画にちなんで、ローズマンブリッジにつづく道路はフランチェスカ通りと命名されたのですが、めだつところに看板があるわけでもなし。
こういう米国の田舎では電波が弱く、カーナビもあまり役にたちません。
ようやくたどりついたローズマン・ブリッジは、感激ものでした。
来た人たちが橋の内側に落書きを残していて、ほとんどが英語ばかり。中国語が少し。日本語の書き込みはひとつもなかったので、ここまで来る日本人はあまりいないのかもしれません。

川に近い部分の柱は金属のカバーで覆われていましたが、土台もすべて木製なのです。
虫よけの防腐剤が、足元に細かく埋め込まれていていました。
一時期は橋の横におみやげやさんができていたそうです。これはもう閉まっていました。
たまたま観光できていた老夫婦はこの景色が好きで、四季折々にここまで来て、6つの橋を全部まわることにしているそうです。
その方の話ですと、ここから2マイルほど離れたところに映画の撮影で使われたフランチェスカの家があったのに、残念ながら放火事件で消滅してしまったそうです。
この下の写真、道の真ん中には小さな野生の鹿がいるんですけど、見えにくいかもしれません。
ともかくあっという間のスピードで、立ち去ってしまい、次の写真には影も形もうつっていませんでした。
行ってみたら後悔しない場所ではありますが、近くにレストランもショッピングセンターもなんもなし。三密回避の旅にはもってこいの場所だと言えます。<了>