米国ニールセンの調査によると、2016年のリオ五輪の開会式では視聴率が16.5%にすぎなかった。否、10パーセントをこえたのだから、高く評価するべきなのかもしれない。
 
 野球のワールドシリーズのワースト3視聴率をあげてみよう。

1位 2020年第3戦(レイズ―ドジャース)4・3%
2位 2020年第4戦(レイズ―ドジャース)4・8%
3位  2020年第2戦(ドジャース―レイズ)5・0%

   参考までに、大谷翔平で沸いたオールスターゲームも、米国内での視聴率は4.5パーセントで、これまでワーストだった2019年の5.0パーセントを更新した。
 もっとも日本での視聴率は9パーセントだったので、大リーグ中継料の更新は値上げが予想される。

gender-viewership
 話しを五輪にもどそう。
 上の図表が示す通り、なぜか五輪を見た人は女性のほうが56パーセント、男性が44パーセント。
 これが参考までにアメフトの決勝戦、スーパーボウルになると、男性のほうが54パーセント、女性が46パーセントになる。

 そして、下の図表だ。55歳の女性は圧倒的にスーパーボウルよりもオリンピックを好む傾向が強い。
age-viewership

 55歳といえば、1966年生まれ。子供や孫を応援する気持ちで五輪を観戦するのだろうか?それならわかる気もする。

 ワールドシリーズ同様、放映権をもつNBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOは7月15日、
 東京五輪2020について、
「視聴率次第ではもっとも利益の高いオリンピックになる可能性がある」

と楽観的な発言した。

 この発言はあながち、ホラとはいえない。  


 昨年3月、東京五輪の延期が決定した段階で、同社の広告枠販売が過去最大の12億5000万ドル(約1400億円)に上った。

 とはいうものの、米国内での視聴率はここ数年、低下の傾向にある。

 前述したように、2016年のリオ五輪の開会式では視聴率が16.5%。ロンドン五輪では23.0%だったから大幅にダウンした。

  にもかかわらず、リオ五輪で同社は2億5000万ドルの利益を生み出している。
 したがってNBCは視聴率をさほど度外視はしていない。


 リオ五輪では17日間にわたって生中継して、NBCの平均視聴者数は2540万人。
 前回のロンドン五輪の3110万人から18%も減少したものの、NBCが専用アプリを通じてストリーミング配信したライブ中継の視聴時間は計27億時間分に及んだ。
 つまり過去すべての五輪のストリーミング中継を合わせた視聴時間の倍近くにも達したのである。

 NBCテレビは東京五輪2020では、テレビとネットのストリーミングサービスを通じ、トータルで約7000時間の放送を予定している。<了>

 

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