ミーガン法(Megan’s Law)とは
1994年に米国ニュージャージー州で成立した「性犯罪者情報公開法」の俗称である。
さらに1996年5月、クリントン大統領は「メーガン法」を連邦法として制定させた。
性犯罪で有罪になると刑期を終えた後も、その個人情報(氏名、住所、生年月日、人種、体重、髪の色、瞳の色など顔写真を登録され、一般に公開される制度である。
州によって詳細は差があり、出所や仮釈放や転入・転出にあたってて、住居の周辺に告知される。
性犯罪歴を示すステッカーを貼ることを求めている自治体や、ホルモン療法を強制する州もある。
2016年には未成年に対して性犯罪を犯した人間の米国パスポートには、その旨を明記する「国際ミーガン法」が制定された。
↓パスポートにこの人物は未成年へのSEX OFFENSE(性犯罪)歴がある、という一文が右ページに印刷されている。
1994年7月、当時7歳だったメーガン・カンタの強姦殺人事件がきっかけとなった。
ティメンデカスは有罪判決を受け、死刑といったん宣告された。(ニュージャージー州は2007 年に死刑を廃止したため、仮釈放なしで終身刑に減刑された)

メーガンの母親は立法の請願運動をおこした。
「すべての両親が、性的な危険人物が近隣に引っ越してきたのかどうかを知る権利がある」
と主張した。
まずニュージャージー州では州法として「メーガン法」が成立。
さらに1996年5月、クリントン大統領は「メーガン法」を連邦法として制定させた。
同連邦法は14歳以下の被害者とした性犯罪者の登録と地域告知とその施工ガイドラインを制定。現在50州とワシントンD.C.ではこれに対応している。
その後はインターネットの普及で、多くの関連サイトができた。全米50州のメーガン法をリンクづけているのがこのサイトである。
あったばかりの異性とデートする前、まず性犯罪歴を調べること。多くの自治体や学校が推奨している。
もちろん外国人だろうと、旅行者であろうと、米国内なら同じ裁きをうける。
2017年11月、京都の照明関係の会社に勤めるユキトシ・マサユキ(行俊昌克)46歳は、ニューヨークのローNYホテルで、出張に同行していた日本人女性を部屋に呼んだ。彼女はNY市内に住む家族と会い、ホテルに戻ってきたばかり。オレンジジュースを買うようにも言われ、その指示に従った。
数か月前、この女性の結婚式にも出席したばかり、上司だった。不妊症の治療中だということも知っていたから、親しい間柄ではあった。
そして、睡眠薬入りのオレンジジュースを飲まされた。
意識を失った女性は強姦されたことに気がつき、すぐにニューヨーク市警に通報。
帰国しようとしていたユキトシをJFK空港で間一髪、逮捕した。

ユキトシ被告は同年8月1日の公判で罪を認めていて、担当した地方検察官は、「加害者に立ち向かい、通報した被害者の勇気を称賛する」とコメントした。
加害者は「同意のもとでのセックス」を主張した。それではなぜ睡眠薬のオレンジジュースを飲ませたのか。
お決まりの司法取引が話しわれ、加害者は渋々ながら犯行を認めた。担当した地方検事補話だと、
「彼はまったく反省した様子をみせていなかった」
最終的に判決の直前、「彼女に悪いことをした。後悔している」とは述べた。
翌年、マンハッタン最高裁判所で、ベージュの囚人服を着た加害者に判決が下った。
7年半の実刑、出所後20年の監視つき。
相手の女性は未成年ではなかったものの、再犯性が高いと判断され、性犯罪者としての登録が課せられた。
ユキトシ・マサユキは今も服役中で、2028年に出所の予定だ。
その後はこのサイトで、名前や顔写真が登録&公開されることになるだろう。
性犯罪の被害者はあくまで被害者。男女問わず、年齢も関係ない。
油断やスキを粗探しして、決して責められる立場ではない。
レイプのような不幸なできごとに巻き込まれた場合、すぐに911に通報して、証拠の確保と容疑者の拘束を求めるべきだ。
最後にもうひとつ、知り合ったばかりの子供の友人関係など、まず性犯罪歴がないかどうか、確認しよう。性犯罪者の再犯歴はかなり高い。たとえば、カルフォルニア州のサイトは使いやすい。

ニューヨーク州なら、こういうサイトだ。Sex Offender Rigistry というワードや州で探索すれば、簡単に調べることができる。<了>