フードスタンプ（SNAP）を生活保護とすべきなのか、どうか。

　失業したりすると、わりと簡単に誰もが申請している。

　オンラインで申請すると電話がかかってきて、

　

　「収入は？」

　「子どもはいる？妊娠している？」

　「今の家賃と光熱費はいくら？」

　

　などと聞かれて、支給の額は３日から１週間で決定。

　現金ではなく、食料品を指定の店（フードバンク）で買うカードが郵送されてくる。

　食費の額は州や家族の人数によって、かなり違う。

　学校に通う子供がいたら、食堂での食費は無料になる。

　

　借金とは違うから、後で返済する必要がない。

　ただ働ける若い人だったら、週一回は職安に通うか、フードバンクなどでのボランティア活動か、どちちかを選ぶ仕組みだ。

　というわけで、今の米国では餓死する可能性が低い。ホームレスになる人はほとんどが精神障害やドラッグやアルコールの問題がかかえて、シェルターで暮らすことを拒む人たちなのだ。

　フードスタンプは生活保護の入り口、第一歩、ほんの一端にすぎない。

　低所得者の家庭だとフードスタンプだけではなく、さらなるサポートがつく。メディケア（医療費無料）、高齢者や障害者を対象にした「補足の所得補償」（SSI）や医療無料、家賃補助や通信費や光熱費の免除など、かなり多岐にわたる。

　シングルマザーへの手当は厚く、子供の人数が増えると、生活支援の金額も増えていく。

　

　もともと米国では公立だと高校までは学費が無料だ。

　所得が低い家庭だと申請すれば、子供は州立大学に学費免除で通うことができる。

  　　
　その後はアマゾンで勤務し、生まれ育ったイングルウッドに帰ってきた。

　2018年にディオンの母親が腎臓癌にかかったことが、ターニングポイントになった。彼はPHDにかかっていて、精神的にはドン底にあった。

　イングルウッドには、体にいい健康な食品の店がなかった。いわゆる「食の砂漠」だった。
　ましてや無料のフードバンクでは、さほど期待はできなかった。
　そこにニーズがあると、アンドレは考え、起業した。